日本人の特質は得か損か、眞鍋叔郎氏の言葉から学ぶ
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人物
日本人の資質・特質
日本人の資質とされるものには、礼儀正しさがあります。そして道徳水準が高く、秩序や公正さを重んじます。これは、日本は小学校から学校の授業の中に、道徳の時間があって道徳についてキチッと教育されているからでしょう。 これについては、日本だけかと思います。
そして社会ルールを守り、親切心も素晴らしいです。これには外国人も絶賛します。
また、特質としては協調性でしょう。 この協調性は外国人から見たら「優しい」とか「内気」とか「引っ込み思案」などと見られるかも知れません。
協調性は良いことかも知れないけど、自分の考えや意見があっても、自己主張ができない。それで目立ってしまうと周囲から反感を買うかも知れない、という考えによって自分がどう思っているかよりも、他人や場の空気を優先してしまうことから、遠慮するのです。
そして平和主義で、争いごとを好まないのです。他人を立てたり譲ったりする精神です。
世間体を気にすることから、自分勝手に単独行動をしません。集団行動を大切にします。そして自分の考えより、他人の行動に合わせようとします。そしてそれが出来ない人は 「おかしい」と思われるのです。
こういう日本人特有の特質は良いことではあるけれど、マイナスになってしまうこともあります。
真鍋叔郎氏の発言
先日、「ノーベル物理学賞受賞者」の眞鍋叔郎さんの記者会意見がありました。 そのとき、こんな質問がされました。『何故日本ではなくて、アメリカに籍を移す必要があったのですか?』
眞鍋さんは現在90歳ですが、愛知県に生まれ、東京大学を卒業後、東京大学大学院理学系研究科修了の後、27歳でアメリカのプリンストン大学で地球学科を研究するに至り、46歳の時にアメリカ国籍を取得しております。 ですから現在はアメリカ人になっております。
そして、『なぜ移籍したのか?』の質問に対して答えられた言葉は、その答えの一つとして
『日本人は人に対する思いや、気遣いをするとても良い人々です、いつもお互いのことを気にしている。調和を重んじる関係を築き絶えず場の空気を考えたり、気を遣います。そういう協調性を重んじます。でも、アメリカは違います。人のことは気にしません。
自分のしたいこと、考えた事を誰にも気兼ねなく自由にできますし、それを咎めたり注意したりする人はいません。だから本当に自由でやり安いところです。私は自分の思うように、好きなように、自由に過ごし、研究したかったのです。
私は協調性が嫌いだし、それがあるところでは生きられない人です。だからそれも移籍した理由の一つです。』 とおっしゃいました。
この発言に私はとても感動しました。なぜなら、私も日本人の協調性は嫌いだし、そういう行動が得意としない人だからです。
自分の性格
以前 わたしは誰かに 「あなたはアメリカ人みたいな人だね」と言われたことがあります。 その時私はその意味がよく分かりませんでした。 でも考えてみればそれは日本人特有の協調性がない、ということだったのです。
確かに子供の頃から私は少し他人とは違っていました。自由に発想し、その時思ったこと、考えたことを、そのまま正直に言ったり、行動したりしていました。一々他人に気を遣ったり、場を考えたり、他人の考えに合わせようとしたりしませんでした。
そんな私を姉たちは、よく怒ったり説教したりしました。でもそう言われても私には何がいけないのか分かりませんでした。
そして私は結婚して20年ほどしたころに、ようやく「自分は人に対する気遣いとか、協調性に欠けているかな?」 と気付きました。
そしたら、人付き合いがとても面倒くさく思われました。そんな面倒くさいことは大嫌いだと思いました。 自分の考えや気持ちを正直に出せないのは、嘘を言ってることと同じですし、のびのびできません。絶えず周囲の人のことを考えていなくてはなりません。
本当に日本人特有の協調性は人の個性を無くする、とも思います。 だから眞鍋さんのおっしゃった気持ちがよく分かります。
眞鍋さんは、誰にも遠慮せず、邪魔されず自由に研究したかったのです。その上アメリカは研究費も気にせず使う事ができます。日本にいたら、その自由さや研究費が抑えられたりするので、研究が思う存分出来なかったのだと思います。
そういう日本の環境では、研究が思う存分できないので、それが出来るアメリカや、他の外国に飛び出していく研究者が増えるのではないかと不安に思います。 そうすると、日本からのノーベル賞を受賞する学者は出なくなってしまうでしょう。
岸田首相が、「眞鍋さんを日本国民として、誇りに思う」 とコメントしましたが、眞鍋さんは、すでに日本人ではありませんから、そして、日本でその研究活動をさせてあげる事が出来なかった事について、何も感じなかったのでしょうか。
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