良寛さんとはどんな人か
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最終更新日:2017/07/02
人物
良寛さん といえば私たちのイメージでは、子供とよく遊んでくれる優しい 「乞食坊主」 という印象があって、良寛さんの本当の姿や、またどんな優れた人なのかを 分からない人が多いと思います。 何故あまり詳しい事を多くの人々は知らないのかといえば、良寛さんは 自分の「教義とか説教」などは何も残していないからです。
そこで私は新潟県人として、同じ新潟県生まれの良寛という偉大な人について少し紹介したいと思います。
人類の欲望は際限がありません。その為に人は多くの間違いを犯します。だからそれを反省する為に、良寛という人間を知る事は必要かと思います。彼はどの様な人生を送って来たのかそれを見る事はとても必要だと思います。
良寛の心は 権力に近寄らず、限りなく相手の立場を大事にしました。
では良寛の心を支えていたものは何であったのかというと、勿論仏教でした。 しかし良寛は自分の寺は生涯持ちませんでした。 また宗派も問いませんでした。 大乗仏教であれ、小乗仏教であれ、仏教の区分を超え、直接釈迦に迫るものがあります。 良寛は生きた仏だとさえ言われました。
それは 「キリスト教」にも通じる 慈愛と道義を、良寛は持っていたという事です。 ですから良寛の葬儀には 禅宗、真言宗、日蓮宗、浄土真宗など 宗派を問わず16ヶ寺の住職が読経をあげました とのことです。
具体的に良寛の姿とは 「不正の念を持たない」 「度を越さない」 「知性と素朴の調和」 「本心を失わない」 「思いやりの心を持ち人を敬う」「慎み深く行動する」 「実行出来ない事は言わない」 など、又 学問を好みました。
良寛はその半生を越後の地にある「国土山」 の麓の 「草庵」 で一人で過ごしました。 その生活は、あらゆる欲望を経ち切って、物質的には最低のものでした。他人に おもねず、物にとらわれず、自然のままに過ごしました。
その草庵で良寛は何をしていたのでしょうか、それは修業です。 仏教の修行を通して人間性を磨いていたのです。
ひたすら座禅を行い、里へ下りては 家々を回り歩いて托鉢を行いました。
こうして欲望や雑念を払って、清らかで美しい心を持つように努力し、人としての正しい道を歩き続けて行ったのです。
良寛は 「不言実行」の人でしたから、自分の教義とか説教とかは何も残しておられないのです。 それでは良寛の事を何をもって理解すればよいのでしょうか? それは彼の 逸話や、芸術です。 良寛とて人間ですから修行の余暇には、漢詩、和歌、書芸 等に心を慰めました。 ですから現在では、良寛の仏道修行よりも 余技の藝術が有名で多くの人に知られています。
良寛は 詩、和歌、書、の三方面とも秀でていました。それはすばらしいものです。 世の中には一芸に優れている者さえ少ないのですから。
漢詩は中国最初の詩集『詩経』や『楚辞』を基とし、和歌は日本最古の歌集『万葉集』や『古今和歌集』に習い、書芸では中国の『王義之』や『懐素』を学び、日本の『秋萩帖』を習っています。 その他様々な法帖の長所を取り入れ自分のものとしています。そして模倣になっていないところが良寛の偉大な所です。 私も書道を勉強した者ですが、良寛の書風は 暖かくおだやかで、細字でありながら強靭なものがあります。
良寛の藝術は偉大でありますが、やはりその上を行くものは宗教性と人間性です。「山中独居」「座禅」「托鉢行脚」を日本の禅僧の誰よりも厳しく実践しました。そしてそんな中にも余技を慈しみました。 そして、人間をまどわす財産や名誉、権力など全ての想念を取り払いました。
そして物質的には、この世で最も貧しかったと思います。 しかし人として恩愛の情までは捨て去る事はしませんでした。やわらかな心を持ち全てを受け入れました。だから大人でも子供でも動物や植物に至るまでも、同じ愛情で接しました。
限りない思いやりや、素直さを誰よりも豊かに持っていました。
こうした清らかで美しく誠実味あふれる人間性が、良寛にとっての最大の魅力だと思います。
誰もが良寛のような人間性を持っていられたら世界は平和になりますね。
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